アンコウの吊るし切り

厳寒の季節。冬場の美味と言えば、やはりあつあつのアンコウ鍋ですね。 関西では、下魚の中の下魚とされ、
あまり料理に供されることはありませんが、関東では別。 特に肝の大きい鹿島灘(茨城県沖)のものが重宝
がられています。 この本場の鹿島灘では、昭和30年から40年にかけて、足の踏み場もないほどのアンコウが
積みあげられ、市場価格は下落し、飼料にされていたほどです。 しかしその反動もあって、一時的にまったく
水揚げがなくなり、幻のさかなとまだ言われていましたが、ここ数年ようやく回復しだしたそうです。 アンコウは、
アバラ骨がないため、さわるとグニュグニュ。おまけにウロコもないのでツルツルします。 とてもまな板の上では
調理できないので、鈎であごを引っかけ、高い所に吊るし包丁をいれます。 これが 「アンコウの吊るし切り」 です。
この切り身や肝をはじめ、いろんな野菜やキノコを土鍋にいれてグツグツ煮るのがアンコウ鍋。
体の芯から温まる関東の冬の味覚です。

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